毎日の忙しい喧噪から逃れて・・・


四万十川にかかるような、手すりも何もない橋。ここ埼玉にこんな橋があるとは思いませんでした。セグロセキレイが飛び交うなか、クラクションも鳴らない細い道で、お互いを譲り合う自動車がたまに通り抜けます。橋は片道しか通れません。
この川の入口は小さな森に包まれていて、どこか違う世界への入口のようにも見えます。通り慣れた人たちにはタダの道路でしかないかもしれません。

私を案内して下さった野本さんの娘さんが、パパといっしょに作った追い込みようの石垣は、増水の後も残っていました。この縁に、ヨシノボリの仲間が見え隠れしていました。娘さんの作った石垣も、今は魚の隠れ家です。

川の中流ですので、決して澄み切った水ではないまでも、子供が水着を着れば十分に泳げるような清流が残されていました。よく見れば、自然のクレソンが「食べてもいいよ!」と流れに身を任せていましたが、今日の夕飯はステーキでもないですし、添える食材がないのでそっとしておきました。

大きなオニヤンマも羽を休めて、石に捕まっていました。たまに頭をクルリと動かして、これから何をしようかと考えている風でした。

いろんな種類のヤゴがいるだけに、様々な種類のトンボが飛び交っていました。気づけば、我が家ではまだ聞こえてこない蝉の鳴き声がアタリに響き渡っています。
里山の重要性を再生を唱える声を耳にする昨今。私も里山の楽しさを五感で堪能してきました。たくさんのオイカワ(ヤマベ)がのんびりと清流に身を任せて泳いでいました。それを追う私の影をあざ笑うかのように、上手に岩陰にかくれんぼしていました。ヤマベ、ハヤ、メダカ、川エビ、ヤゴ・・・たくさんの生き物を育む川でした。我が家のチビも川遊びを堪能です。