さらば、ジジイ

 アングル最悪
まったくうるさい爺だった。
「オイ!かま!」・・・また俺かよ
「かまっちゃ〜ん、やっほ〜♪」・・・今日はずいぶんご機嫌じゃね〜か!
「チ。おめ〜の魚はちいせぇやい。30センチ超えなきゃカサゴじゃねぇんだよ」・・・あんたが客じゃ、つり船はあがったりだよ

口も悪ければ、顔も悪い。せめて態度がよければ越したことはないが、態度も悪い。だけど、憎めないし、最高のキャラだった。ということにしてやろう。

 ホントに好きねぇ、カサゴ
私が、船橋のつり船内木の中乗りをしていた頃、毎週、そりゃ本当に毎週のように船に乗りに来てくれた。
「オイ、かま!おめ〜、来週も乗るのか?」
「はい、乗りますよ」
「しょ〜がね〜なぁ。んじゃ、また来週も来てやっか!」
・・・こんなやりとりが、私は凄く嬉しかったのを覚えている。
中乗りを引退させてもらってからも、メールで「今週の木曜日に内木に行くよ」とメールしたりすると、
「仕方ねぇから来てやったよ」と、桟橋で待っていてくれたっけ。
なぜか、イシモチ釣りとライト泳がせの時のイワシ釣りが嫌いで、イシモチなんか私に投げつけるようによこしたりした。
「まったく、汚ねぇ魚だよ!こいつは!!」
…あんたの方が汚いよ…
とは、言わなかったと思うが、爺の釣果を全部もらって帰ったりもした。
 ちょっとは笑えよ!
私が、アトリエぷらりを嫁と一緒にはじめた頃、黒なら何でもいいよと大人買いしてくれた。かけ出しの頃で今のようにお客様がたくさんいたころではなく、それはそれは本当にありがたかった。売上がありがたかったというのではなく、ジジイの私への気持ちがありがたかった。

5月8日、午後7時50分。ジジイはあの世に逝っちまいました。
今頃、三途の川で釣りでもしてやがる頃だと思います。
いつのことだったか、私のかけたカンパチを掬おうとして、上手にバラしてくれたことがありました。あの世で、その償いでもしてもらうこととします。

これから、東京湾カサゴは大きいのが増えると思う。ジジイが釣らなくなった分、ポイントに魚が残るんだから♪

対馬爺よ。今まで 本当に ありがとう。。。
そして、ジジイが築いてくれた釣り仲間の絆をこれからも繋いでいくからね♪
ありがとうよぉ

@かま