いまさらですが…

3月3日の朝刊に気になる記事が掲載されておりました。Y新聞の社会面だったのですが、「生態系損失 海、沿岸で深刻」というトピックスで、環境省の専門委員会がその報告書をまとめたという内容だ。
この記事によれば、日本のほとんどの自然環境が1950年代後半である約60年前、つまりは、戦後の復興期と比較して、損なわれている、または大きく損なわれているという。
「何をいまさら…」と私は思いましたが、行政が何かを改善するためには、それを調査する委員会が必要ですし、調査報告書がなければ新たな改善策および改善に向けたアクションは生まれてきませんから、これは何かが始まる第一歩なのかも知れません。でも、羽田の海面にあんなものを作っている最中にそんな報告書がでたところで、何ともいやはや、どうなのよ?と首をかしげてしまいます。
この半世紀、人間が犯してきた自然破壊はあまりにも大きすぎました。でも、冷静に見つめると、この十年ばかりの間だけで、人間が自然を取り戻そう、自然を守ろうといった活動や施策は、徐々に増えてきているようにも思います。
経済活動の中で、利益を得るために、つまり人間が美味しい思いをするために、自然は破壊されてきました。だから、経済活動の中で、利益を得ることができない、つまり人間が美味しい思いをしない自然の回復活動を活発化することは、実に困難な作業であると私は思います。でも、国や地方自治体が、短期的や中期的ではなく、長期的に本腰を入れて自然回復のための活動をしてくれるならば、きっと少しは無くしたものを取り戻すことができるかも知れないとも思います。
でも、きっと、その活動は、目に見えて利益が生まれる活動ではないから、私利私欲にかられた、いやらしい活動に変貌するようにも思える。
アメリカ型の資本主義の中で育った日本の繁栄だから、自然環境云々をどうこうしようという動きが、積極化するには、もう少し時間がかかるかもしれない。
今、自分にできること。いまさらですが、考えていきたいとは思いますが、ガソリンを使って移動して、釣りをしているだけでも、自然を犯していることも多いわけで、私自身、何とも悩ましい人間活動をして生きています。それでも、今、自分にできること。改めて考えていきたいと思います。
きれいごとかもしれませんが…