事件の続き

・・・ 昨日の文末の続きです。

まさに、頭の中は真っ蒼になりました。ぜ〜んぶ、沈んでしまったのですから!

・・・・・

ことは下船時。カッパのズボンが、ちょっとだけずり落ちていたのです。これがいけなかった!不注意のもととなってしまった。
船の大ドモから降りようとしたその瞬間。自分のカッパにつまずいてしまったのだ。

右肩にかけていたバッカンは、船の中へ。よろけた私の体も船の中へ。そして、左手に持っていた、荷物入れのカゴを・・・ドボン。


ところが、浮力のあるカゴやらカッパやらは水面に浮いていて、ホッ♪
すかさずタモ網ですくって、セーフ。
やれやれよかった♪よかった♪と思ったのは束の間の安堵で・・・


 
ない!ない!!ない!!!

カゴに入れていたポーチ(A4サイズ)が、
ないではないかぁ〜〜〜〜〜

しかも、カゴの上にポンッと置いておいた携帯電話、着替えのトレーナー、予備のクランプヘッドもな〜い

さて、ポーチに入っているのは、財布、車のカギ、手帳、予備の電動リールなどなど。トホホどころではありません。
お、お、お、おれは、これからどうすればいいんだぁー!!!

あなた。これを読んでいるそこのあなた。 この時の、私の気持ちがわかりますか?(って、どうせ、読んでいる人は、バカだなこいつと笑っているのだろう)

ところが、機転の利いた中乗り番ちゃんが、竿にトリプルフックを付けたジグを装着したタックルを用意してくれました。
沈めて、ボトムジギングの開始です!これがなかなか掛かりません(当たり前だろ!)。

すると、事の状態を知らない釣り人が近づいてきて、

「ここはルアーでヒラメが釣れたりすることもあるらしいですよね。どうですか?」
と聞いてきます。

ちがう!ちがう!!違うんですよ〜 ぼくは、釣りをしているんじゃなくて・・・ ポーチを釣り上げたいだけなんですよ〜(泣)

萬栄丸の親方と番ちゃん、釣り仲間のかんこさんに囲まれて、5分、いや10分も探ったでしょうか?

「もっと、そっちのほうなんじゃないか?少しは流れただろよ」などと言われ、思っていた場所より2mほど先に落とすと・・・

根掛かり?

ねが・・・ う!? 浮いた??

「番ちゃん!番ちゃん!!きたぁ〜 きたよ〜〜!!タモ、タモ、タモ〜!!」

釣れたんです。マジで。ぜーんぶズブ濡れですが、釣れ上がったんです。風の強い中一生懸命操船してくれていた親方には申し訳ないですが、ムツがじゃんじゃんバリバリ釣れたのより、嬉しかったですなぁ。

番ちゃんよ!俺は死ぬ時にあんたに感謝して死ぬことにするよ。ありがとう、番ちゃん。フォーエバ


・・・ところが、喜びの最中にも、ふと我に返りました。財布と鍵があがればそれでいいと思っていたのですが、人間というのは実に欲深い生き物です。そして、私も他聞に漏れず、欲深い生き物であることを知りました。

沈んでいるのは、これだけじゃないことに再び気づくです・・・ <つづく>